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ウイルス性イボ

ウイルス性のイボは医学的に「疣贅(ゆうぜい)」と言います。
原因はヒトパピローマウイルス(HPV)というウイルスによる感染です。
HPVはパポバウイルス科に属する直径50~55nmのDNAウイルスで、ヒトの疣贅を発症することは古くから知られています。
現在約100種類以上の型があり、皮膚や粘膜といった感染しやすい部位や形状が異なるため、様々な臨床型があります。

種類

【尋常性疣贅】
主に2型の感染によるものですが、その他多種のサブタイプが検出されています。
手足の指、手のひら、足の裏によく発症しやすいですが、全身にできる可能性はあります。
数mm大の小さな盛り上がりから始まり、増大すると茶褐色の斑点(点状出血)がみられるようになります。
単発、あるいは感染が広がり多発する場合があります。
足底では角質が厚いため、角質内に押し込まれたようなイボを形成します。
そのためタコやウオノメと間違えやすいのが特徴です。

【ミルメシア】
1型の感染によるもので、蟻塚様の外見を示します。(ミルメシアとは蟻塚の意味)
ドーム状に深く陥没し中央部が硬く突出しています。
手のひら、足の裏にできやすく、赤く腫れたり痛みを伴います。

【青年性扁平疣贅】
主に3型・10型の感染で、若年層の顔や手の甲などにできやすいです。
表面は平らで、周囲の皮膚と同じ色や褐色赤色になる場合もあります。
一般的に自覚症状はなく、難治性です。

【尖圭コンジローマ】
6型・11型の感染ですが、その他多種のサブタイプが検出されています。
乳頭状、カリフラワー状、あるいは鶏冠(鶏のとさか)のような盛り上がりを生じ、陰部や肛門部に多発します。
表面が湿潤している紅色~褐色のイボで、性感染症として発症します。

原因

皮膚や粘膜の小さな傷から入り込み、皮膚の内部に感染することによって発症します。
痛みや痒みといった自覚症状はほとんどありませんが、感染症のため人から人へ、また自分の皮膚の別の場所にうつります。
特にアトピー性皮膚炎の方は皮膚のバリア機能が弱く、痒みのため皮膚を引っかいたりすることが多いため注意が必要です。

診断

様々なイボの種類があるため、それに応じた検査や治療法の選択が重要です。
なかには、悪性か良性か識別するために生検をすすめる場合があります。
そのため、まずは医療用拡大鏡検査(ダーモスコピー検査)を用いて識別します。

治療

液体窒素を用いた凍結療法を行います。
日本皮膚科学会の『尋常性疣贅診療ガイドライン2019』の最も高い推奨度Aに該当する治療法です。
-196度の非常に冷たい液体をイボに当て、ウイルスに侵されている皮膚を壊死させます。
1週間~2週間に一度この処置を行い、皮膚の代謝を待ちながら徐々にカサブタとなり剥がれ落ちます。
一回の治療で取れることは少なく、しっかり取れるまで治療を繰り返します。
治療期間は個人差があり、数週間から、数ヶ月~年単位で長期に渡る場合があります。
そのため根気強い治療が必要です。

日常生活で気を付けるポイント

〇イボを触った手で傷などを触らないようにしましょう。
〇誤った市販薬を使用したり、自己処置をすると悪化・拡大傾向にあります。
 受診時すぐに本来の治療ができない場合がありますので、控えましょう。
〇大きくなったり数が増えると、それだけ治療が長くかかります。早めに受診しましょう。

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